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「勉強時間が足りないなら、耳を使えばいい」。仕事と子育てのスキマで電験2種に挑んでいた私がたどり着いた答えのひとつが、音声勉強法でした。通勤中も、家事中も、そして寝ている間も。この記事では、過去問を自分の声で録音して聴くという私の勉強法と、その相棒となるイヤホンを探し続けた話をまとめます。

机とペンがなくても、勉強はできる

電験2種の勉強は、机に向かって紙とペンで問題を解くのが基本です。ただ、働きながら、子育てしながらの受験では、机に向かえる時間には限りがあります。私の場合、平日にまとまって勉強できるのは夜だけでした。その時間をどうひねり出したかは、勉強時間の作り方の記事に書いたとおりです。

一方で、1日の中には「手はふさがっているけれど、耳は空いている」時間が意外とあります。自転車で通勤している時間。家事をしている時間。私はここに目をつけて、二次試験の論説対策を「耳」でやることにしました。

過去問を「自分の声」で録音するという方法

やり方はシンプルです。スマホの録音アプリで、論説問題の問題文を読み上げ、少し間を空けてから、答えを読み上げる。これだけです。

1本あたりの長さは問題の文章量によって変わりますが、短いもので2分、長いもので7分ほど。これを1問ずつコツコツ録りためて、最終的には手持ちの教材に載っている論説問題を全部——平成7年から平成30年まで、そして令和元年から令和6年までの過去問を録音しました。

聴き方も単純です。問題文が流れたら、頭の中で答えを組み立てる。少しの間のあとに流れてくる答えと突き合わせる。手がふさがっていてもできる、一問一答形式の演習です。このとき使っていた教材や、どれだけ繰り返したかについては、二次試験の勉強法をまとめた別の記事に詳しく書いています。

録音すること自体が、勉強になります

この勉強法、実は「聴く前」から勉強が始まっています。録音が、思った以上に大変だからです。

繰り返し聴くことになる音声ですから、ストレスなく聴けるように、ある程度スラスラとテンポよく読む必要があります。ところが、論説問題の文章は専門用語だらけ。しかも試験問題なので、文体もお堅い。スラスラ読めずに何度も噛んでは、録音のし直しの連続でした。

ただ、この録り直しが、いま思えば良い音読学習になっていました。何度も口に出すうちに、専門用語が口に馴染んでくる。1問の録音が終わる頃には、その問題の内容がある程度頭に入っているのです。

YouTubeには論説問題の聞き流し動画もあって、手っ取り早いのはそちらです。それでも私は、自分で録音する方法をおすすめしたいと思っています。自分の学習内容にぴったり合わせられますし、なにより、録音という工程そのものが勉強になるからです。

録音データに残った、わが家の生活音

録音は、家族とは離れた部屋で1人でやっていました。それでも、録音データにはいろいろな音が入り込みます。

録り直すのは大変なので、自分がうまく読めてさえいれば、多少の音は気にせずOKにしていました。おかげで、あとで聴き返すたびに「ああ、あのときの録音だな」と、録音した日の状況まで一緒に思い出すことになりましたが、それも今となってはいい思い出です。

いつ聴くか:通勤、家事、そして就寝中へ

録りためた音声は、ふだんは自転車通勤と家事の時間に聴いていました。ただし、この「ながら聴き」には大事な注意点があります。

⚠️ 「ながら聴き」の注意点
自転車で聴くなら:骨伝導・オープンイヤー型など、耳を塞がないタイプのイヤホンが必須です。周囲の音が聞こえないほどの大音量も避けてください。安全上の理由はもちろん、自転車でのイヤホン使用は取り締まりの対象にもなります。ルールは地域によって異なるので、お住まいの地域の決まりを必ず確認してください。
家事中に聴くなら:こちらも周囲の音が聞こえる状態で。試験勉強でただでさえ滞りがちな家族とのコミュニケーションまで遮ってしまうようなイヤホン選び・音量はやめておきましょう。

そして二次試験の直前期。聴く時間はさらに拡大し、ついに「寝ている間」にまで手を出しました。就寝時にイヤホンを付けて、最小の音量で朝まで流しっぱなし。狙いはただひとつ、潜在意識に刷り込むように、です。当時は1人で寝ていたので、音漏れの心配はありませんでした。このあたりの鬼気迫る様子は、合格体験記にも書いています。

「寝ながら使えるイヤホン」が見つからない

私がずっと使っていたのは、SOUNDPEATSのGoFree2という耳掛け型のワイヤレスイヤホンでした。耳を塞がないオープンイヤータイプです。最初からこのタイプを選んでいたのは、自転車通勤で使うため。先ほどの注意点のとおり、周囲の音が聞こえることが絶対条件だったからです。

通勤や家事では文句なしだったGoFree2ですが、就寝中に使うと、毎晩のように寝ている間に外れていました。朝起きるとイヤホンがない。布団の中を探すところから1日が始まる。これが地味に不便でした。

それなら外れにくいイヤホンを、と探しても、見つかるのは耳の穴にしっかり差し込むタイプばかり。私は耳を塞ぐタイプを使い続けると外耳道炎(耳の穴の炎症)になってしまう体質で、これは選べません。結局、外れるのを承知で、GoFree2を我慢して使い続けていました。

そんなとき、「イヤーカフ型」というイヤホンの存在を知りました。アクセサリーのイヤーカフのように耳を挟んで固定するタイプで、耳を塞がず、それでいて外れにくそう。まさに探していた条件どおりです(もっと早く知っていたら、とっくに買っていたと思います)。ちょうど同じSOUNDPEATSからClip1というイヤーカフ型のイヤホンが発売されたばかりで、良さそうだったのでこれを選びました。時期はもう9月か10月、二次試験の直前期でしたが、7,000円ほどで購入しました。

SOUNDPEATS Clip1の正直レビュー

結論から言うと、「寝ながら聴く」という私の用途は、これでようやく満たされました。

私が使ったイヤホン

SOUNDPEATS Clip1(イヤーカフ型ワイヤレスイヤホン)

実際に就寝中に使ってみて、気に入ったポイントは次のとおりです。

  • 耳を塞がない。外耳道炎の心配なく、長時間使えます。周囲の音も聞こえるので、ながら聴きにも向いています。
  • 寝ている間も外れにくい。朝起きたときも、大抵は耳に付いたままでした。激しく寝返りをしなければ外れません。GoFree2との一番の違いはここでした。
  • 音質が良い。耳を塞がないタイプは音質が犠牲になりがちですが、Clip1は不満なく聴けました。
  • バッテリーが朝まで持つ。ちゃんと満充電にしてあれば、最小音量で一晩流しっぱなしでも大丈夫でした。

一方で、注意点も正直に書いておきます。付けたまま寝返りをして耳が下になると、痛いです。ただこれは、そもそも就寝用に作られた製品ではないので、仕方のないところだと思います。もうひとつ、タッチセンサーでの操作に少し難があって、思いどおりに操作できないことがあります。この点については、いまは同じイヤーカフ型で物理ボタン操作の「UU2」という機種も出ていて、正直、気になっています。

イヤーカフ型は、ここ数年で選択肢が増えてきました。「耳を塞がずに、外れにくく」という条件でイヤホンを探している人には、有力な選択肢になると思います。

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まとめ:効果は保証しません。でも、やってよかった

就寝中の音声学習に効果があったのか。正直に言うと、はっきり分かりません。当時は合格の可能性を少しでも上げるために手段を選ぶ余裕がなく、思いつくことを片っ端からやっていた、というのが本当のところです。「静かに寝たほうが熟睡できて、翌日のパフォーマンスが上がり、勉強の成果も上がる」という考え方もあります。それも一理あると思うので、この記事は「あなたも寝ながら聴きましょう」というお勧めではありません。

それでも、通勤や家事の時間が論説対策の時間に変わったこと、そして録音を通して専門用語が口に馴染んだことは、間違いなく私の力になりました。

机とペンだけが勉強ではありません。あなたの生活の中の「耳が空いている時間」も、きっと戦力になります。安全と、周りの人への配慮だけは忘れずに、試してみてください。

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