電験2種の二次試験に、私は一度落ちています。2024年に不合格、2025年に合格。この記事では、落ちた年と受かった年を並べて「何が足りなくて、何を変えたのか」を具体的に書きます。先に結論を言ってしまうと、変えたのは「勉強量」です。魔法のような勉強法は出てきません。でも、だからこそ嘘のない記録として、誰かの参考になると思っています。

この記事は「攻略編」です

12年かかった受験の物語そのものは、合格体験記に書きました。あちらが「ドラマ編」だとすると、この記事は「攻略編」です。落ちた2024年と受かった2025年、それぞれの勉強内容を並べて、敗因と対策だけを淡々と掘り下げます。

二次試験に挑む人、特に「一度落ちて、来年どうしようか考えている人」に読んでほしい内容です。

落ちた年(2024年):過去問3周で挑んだ

2024年、10回目の挑戦でようやく一次試験に受かった年です。二次対策には一次試験の前から少しずつ取り組んでいましたが、本格的に始めたのは一次試験が終わってからでした。

使った教材は『電験二種完全攻略』。平成7年から30年までの過去問を収録した定番書です。これを試験までに3周しました。

ただ、正直に言うと、はじめは本当に歯が立ちませんでした。二次試験の記述式の過去問は、一次のマークシートとはまるで別物です。出くわす問題のひとつひとつが「できない、わからない」。勉強時間はそれなりに確保していたのに、どれだけ時間をかけても僅かしか進んでいないような状況でした。

それでも周回を重ねるうちに、少〜しずつ解るようになってきて、なんとか3周を終えたところで試験日を迎えました。

敗因は、試験当日にはっきり突きつけられた

その年の試験で、過去問の類題が出ました。3周してきた身からすれば、本来なら「超ラッキーな点取り問題」のはずです。

ところが——見たことがあるはずの問題なのに、解き方があやふやで、自信が持てない。結局、解ききれませんでした。「見たことがある」と「自信を持って解ききれる」の間には、大きな溝があったのです。練習量の不足を、その場で実感しました。

さらに、痛い凡ミスもありました。三相の高圧回路を扱う問題で、線間電圧6600Vを相電圧に直すために√3で割るべきところを、6600Vのまま計算してしまったのです。電験受験者なら「あちゃー」と声が出るやつだと思います。基本中の基本のミスでした。

試験を終えて、思いました。この程度の実力で2種に受かったら、逆に恥ずかしい——と。

敗因ははっきりしています。知識不足と訓練不足。ひとことで言えば、勉強量そのものが足りなかったのです。

受かった年(2025年):変えたのは、シンプルに「量」

2025年は一次試験が免除だったので、二次対策に集中できました。落ちた年と受かった年の違いを、いちばん象徴する数字がこれです。

2024年

二次 不合格

完全攻略 3周

平成7年〜30年の過去問

2025年

二次 合格

完全攻略 8周
+ 電験王さんの過去問解説集 5周

平成7年〜30年+令和元年〜6年の過去問

『完全攻略』を8周。それに加えて、電験王さんの過去問解説集で令和元年から6年の問題を5周です。

意外だったのは、2年目の勉強が思いのほか順調に進んだことです。前年に3周してあったおかげで、あの「解きはじめの苦しみ」がもうありませんでした。落ちた年に積んだベースの上に、そのまま積み増していける。これが実力アップに一番効いたと思います。

ひとつ、迷った決断もありました。『完全攻略』を8周した時点で、収録されている問題はさすがに定着していました。ただ、その時点ですでに直前期。試験の1〜2ヶ月前くらいだったと思います。ここから新しい教材に手を出すべきか、かなり迷いました。それでも「初見の問題に対応するには、もっと問題数をこなさないと」と考えて、令和の過去問に踏み込みました。周回をさらに重ねた場合との比較は今となってはできませんが、対応できる問題の幅が広がったことは間違いないと感じています。

YouTubeの解説動画や、自分の声で録音した音声での勉強は、紙とペンを持って問題に取り組めないスキマ時間に充てました。「スキマ時間をいかに使うか」は常に考えていて、これも2024年より多く積み上げられたと思います。

つまり、特別な新しい工夫があったわけではないのです。変えたのは、量。身も蓋もない結論ですが、これが正直なところです。

科目ごとの戦略:時間を無駄にしないために

量がすべてとはいえ、限りある時間をどこに投下するかの「戦略」はありました。

電力・管理は、最近の過去問の傾向から、論説と計算が5対5の比重になるよう意識していました。ただ、実際の勉強時間は論説3対計算7くらいになっていたと思います。論説は主にスキマ時間の音声や動画でこなせる一方、計算は紙とペンを使って机に向かう必要があるからです。

機械・制御は、論説0対計算10。完全に計算に振り切りました。

捨てた分野もあります。

直流機と現代制御は、出題頻度が低めなうえに難易度が高い分野です。パワーエレクトロニクスは毎年1問出るのですが、こちらも難易度が高い。機械・制御は4問の中から2問を選んで解く形式なので、パワエレを避けても残りの問題で勝負できます。多くの受験者が同じように捨てているようです。私はこうした戦略の立て方を、TairaさんのYouTubeチャンネルで学びました。

戦略の情報は、なるべく早く仕入れる
「どの分野がよく出るのか」「受験者はどこを捨てているのか」。こうした情報を勉強の初期に知って自分の戦略を立てることが、勉強時間を無駄にしない方法のひとつだと思います。私のように後から知って「もっと早く知りたかった」とならないように。

正直に言います。空振りだった対策もあります

いいことばかり書いても嘘になるので、結果的に空振りだった対策も書いておきます。論説の記述対策です。

論説問題を記述式で答えるための対策も積んでいたのですが、2025年度の本番では、記述式の論説問題には全く手を付けませんでした。というのも、この年の電力・管理の論説は、空欄に語句を埋める形式の問題が3問も出たのです。記述式の論説問題も1問出たのですが、そちらは手が出ませんでした。なかなか特殊な年だったと思います。

試験は、何が出るか分かりません。だから「あの対策は無駄だった」と言い切るつもりはありませんし、実力を付けるという意味では記述対策にも意味があったと思っています。ただ、直接得点に結びついたかと言われると——正直、空振りでした😭

📈

まとめ:落ちた年の勉強も、無駄ではなかった

落ちた年と受かった年で変えたことの正体は、「勉強量」でした。過去問3周では「見たことがある」止まりだった実力が、8周+5周で「自信を持って解ききれる」に変わった。私の場合は、それが合否を分けました。

そしてもうひとつ。2025年に8周もできたのは、2024年に苦しみながら積んだ3周のベースがあったからです。落ちた年の勉強は、無駄になっていませんでした。翌年の土台になっていたのです。

いま過去問に歯が立たず、時間をかけても僅かしか進まない——そんな時期にいる人がいたら、思い出してください。その苦しい時間は、来年のあなたの土台になります。ちなみに、その勉強時間をどうやってひねり出したかは別の記事に書いています。よければ、そちらもどうぞ。

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